向上りとる的に

日常のなんとなくを少なくする ちょっとした向上心

偶然を大切に

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ドイツの文豪ゲーテの不朽の名作にファウストという作品がある。ファウストという登場人物が、自分の人生に退屈し、後悔し、悪魔と契約して、無限の自己可能性を追求するために、すべての知識、喜びを手に入れようと、悪魔(メフィストテレス)に魂を売り渡すという物語である。

そういった衝動は私たち誰でも心の底に持っていると思う。
あらゆる知恵をもちたい。あらゆる場所にいきたい。あらゆる快楽をえたい。逆に言えば、そういったファウスト的願望が強すぎる人間は、それを手に入れようとして、それがかなわないと知ったとき、無気力になりやすい。
ファウスト的願望は皆もっているのでは?
身近で言えば、例えば文学好きが、世界文学全集を読むぞと心を決めたが、一冊目で挫折して、結局一冊も世界文学を読まないケースとか。試験勉強で、問題集のすべての問題の解答を理解できなければ気が済まず、一問でも理解できないとその途端、やる気をなくし、理解できる部分があるにもかかわらず、勉強自体をやめてしまうとか。
 
下記は公開映画の数。最近のはなくてごめんなさい。
年次 映画館数
(スクリーン数)
  入場者数
(1,000人)
公開本数    
  #シネコン 総数 邦画 洋画
                 
平成 17 2,926 1,954 160,453 731 356 375
  22   3,412 2,774 174,358 716 408 308
  27   3,437 2,996 166,630 1,136 581 555
  29   3,525 3,096 174,483 1,187 594 593
  30   3,561 3,150 169,210 1,192 613 579
令和 3,583 3,165 194,910 1,278 689 589
                 
                 
映画館数(スクリーン数)は12月末現在。
資料 一般社団法人日本映画製作者連盟「日本映画産業統計」
 
映画好きなひとが、すべての映画をみたいというファウスト的衝動をみたすには、令和元年だけでも、一日3本以上はみなければならない。これに過去の作品も加えれば、一生かけて起きている間、映画を見続けても、無理。
 
映画の歴史は短い。もしこれが本だったら?同じく最近のがなくてごめんなさい。

部門

書籍新刊点数(点)

 

平成28年

29年

30年

令和元年

 

 

 

 

 

 

 

 

総数

 

75,039

73,057

71,661

71,903

 

総記

 

763

858

767

804

 

哲学

 

4,176

3,932

3,955

3,743

 

歴史・地理

 

3,685

3,404

3,530

3,890

 

社会科学

 

16,078

15,422

15,220

15,482

 

自然科学

 

5,639

5,757

5,325

5,066

 

工学・工業

 

4,391

4,176

3,906

3,951

 

産業

 

2,625

2,652

2,492

2,444

 

芸術・生活

 

13,299

12,676

11,856

12,383

 

語学

 

1,604

1,628

1,535

1,473

 

文学

 

13,270

13,327

13,048

12,979

 

児童書

 

4,319

4,350

4,721

4,583

 

学習参考書

 

5,190

4,875

5,306

5,105

書籍新刊とは,新刊として,委託または買切条件で出荷されたと推定される部数
資料 公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所「出版指標年報」
 
いわずもがな。令和元年出版されたものだけでも、一日200冊近く読まなければならない。
 
結局、なにがいいたいのか?
どんなに計画的に行動しても、ファウスト的願望を満たすのは無理なのだから、
偶然に出会うもの(人に限らない)をなおざりにするのはもったいない。
偶然出会う人、目に入るもの、目に入れるもの、聞こえてくるもの、聞くもの・・・・
そこには偶然を装った必然があるかもしれないのだから・・・・
 
と怠惰な自分を棚にあげて、かっこつけてみました。