書評 Newton別冊 時間とは何か 改訂第2版
人生において常につきまとう最大の悩み事の一つ、それは時間に関することが多いのでは?
時間がありさえすれば・・・ いやな苦痛な時間・・・ 楽しい時間はあっという間に過ぎ去る・・・そしていずれは死ぬ・・・・
しかし、時間というものをイメージはなんとなく過去から未来へ進み、時間は一つの絶対存在としてとらえがち。アインシュタインの相対性理論により、時間は相対的なものだということは知識としては知っていても、日々の生活では時間は一方的に流れ、漫画やライトノベルではさかんなタイムトラベル、パラレルワールドなどは所詮絵空事というのが実感という人も多いのでは?
しかしである。最先端の物理学ではそうでもなさそうだ。
アインシュタインの時空間の概念からはじまり、ワームホールを利用したタイムトラベルなどノーベル賞クラスの国内外の科学者が大真面目に考えているのだ。
普段時間の本というと、時間の使い方に関する実用的な本を手に取る場合は多いと思うが、時間そのものの考察に関する本はあまり読まない人は多いのでは?
この本は時間というものを考える時に有益な基礎的な知識を提供してくれている。
構成は、
1.心の時計、体の時計 2.心理学で考える「時間術」3.時間の正体を探る
4.タイムトラベルを科学する 5.暦と時計
全部の章興味深く一気に読んだ。特に3.4の章を読むと、SF小説、映画のおもしろさが倍増します。相対性理論の解説は秀逸で、図が豊富でイメージがわきやすい。さすがNewtonという感じ。
1章で生物学的な時間遺伝子が存在することは初めて知った。それも収穫。皆さん知っていますか?2章はあまりページを割いていないが、体内時計と作業効率については結構日常的に役立つと思う。
ただ科学雑誌なので、時間の質や哲学的な面にはあまり触れていない。面白い本があったらまた紹介していこうと思います。
それではまた。