毒と薬を使った表現は多い。「毒にも薬にもならない」「良薬は口に苦し」「毒を食らわば皿まで」などなど。毒という言葉を使った映画や文学も多い。
普段の生活でも塩分や糖分を多分に含んだ食べ物はおいしいが体に毒なり、薄味で苦味があるのもは体には薬になるという実感がある。
毒には快感、薬には我慢がともなうのだ。世の中うまくできていない。
なんとか快感のある薬を生み出すようにしたいものだが・・・・
今回の放送での驚きポイントは
- 創薬は毒から。毒と薬は表裏一体。
- 人間以外の動物(チンパンジー、マレーゾウなど)も薬になる物質を摂取している。意識的なのか結果的なのかはわからないが。
- 植物の毒を使った生き残り戦略で、人は利用されているという妄想もあながち嘘ではないかも。アルカロイドなど麻薬のもとになる化合物を生産することで、人間はどんどん植物を生産してくれる。
- 地球上の生物の80%は植物。なにげに驚く。
- 最も毒を作っているのは被子植物。美しいものには毒がある。
- 抗生物質投与するとほとんどのケースで薬剤耐性菌が生まれる。この薬剤耐性菌によって世界中のたくさんの人々が亡くなっているという事実。
- 薬剤耐性菌に対抗するライソシンE (細胞膜を標的にする)なる抗生物質も発見されているが、基本的にはいたちごっこなので油断できない。
- 明るい材料もある。AIの出現によって植物の有機化合物を生成する過程を学習できる可能性もあるということ。
人間は毒を食らって学習し進化してきた。毒をくらってきた人々を尊敬しなければならない。その恩恵にあずかっているのだから。
現代日本人は毒をくらわず、薬ばかりを追い求める。リスク(毒)をとらないで、いいとこどりをよしとする風潮を感じさえする。
えらそうにごめんなさい。自分を振り返ってです。
私の妄想をひとつ。
自然界の物質から生み出される人間にとっての毒と薬になる分量は等しい。他の生物にとっても人間は毒にも薬にもなり、人間も自然界連鎖のひとつの生物にすぎないのだから。
ではまた。