向上りとる的に

日常のなんとなくを少なくする ちょっとした向上心

NHKヒューマニエンス ”再生” 新たなるパンドラの箱 感想

人間は基本的には再生しないしかし人間以外の生物で再生能力をもった生物というのは存在する。その代表格がプラナリアだ。名前だけなら聞いたことがある人も多いのではないだろうか?例えばプラナリアを6つに切断したら6匹のプラナリアが再生する。目も脳もちゃんとついた形で。(ちなみに最初に脳を獲得した生物ともいわれているそうだ。)その他にも、イモリ、ウーパールーパー、オタマジャクシなど再生能力のある生物は存在しているが、共通点は水につかっているということだ。この水から陸上への進出がきっかけとなって人間から再生能力か奪われていったのではないかと番組では分析している。

しかし番組では条件が整えば人間も再生できる可能性があるという。

プラズマをラットの脳に照射すると、ラットの大脳皮質に細胞分裂が起こった形跡がみてとれたそうだ。細胞が初期化して幹細胞らしきものだ。

これを人間に応用すればいつかは・・・・ わくわくするような、こわいような。

けれども、進化(メリット)と退化(デメリット)は表裏一体。再生を進化ととらえるのならば、人間にとって退化(マイナス)の面もあるはずだ。

そうだ!再生に必要な細胞分裂をする際につきまとうのが、がんだ。細胞分裂の暴走だ。番組ではなぜ心臓は再生できないのかの疑問に対して、全身に血液を送る心臓は非常に重要な臓器ゆえ、細胞分裂するとがんのリスクが高まるから、心臓は再生できない仕組みになっているのではとの分析だ。(間違った解釈ならごめんなさい。素人なので。)でも確かに心臓癌って聞かないよな・・・

実際イモリは心臓が再生できる。その再生に活躍するのが、細胞核が2つになるサイクリンなるもの。細胞核が増え細胞分裂して再生する。それをマウスに投入する実験では細胞核は増やせるが、細胞は分裂しないとの実験結果。なにかがそうさせないのだ。

血液の総量の4分の1を消費する脳は、心臓を細胞分裂させないように指令をおくっているのでは・・・・と妄想してみる。

その他の驚きポイントは

  • 再生可能な生物の幹細胞?は細胞の住所を把握している。
  • 人間の場合けがをして傷がなくなって治ったと思っていても、真皮(皮膚の奥)が傷ついている場合がある。
  • とかげのしっぽは完全な再生ではない。
  • プラズマって物質の第4の状態だ。固体、液体、気体の次の段階
  • 稲妻って⚡が落ちた稲は豊作になるから稲の妻という意味があったそうな。

でもやはり一番興味をもったのは番組での冒頭の再生の哲学的な面だ。

再生できたとして、記憶や知識はどうなるのか?私といえるのか?

プラナリアを人間に置き換えたと仮定して、再生した場合、再生した各々は違う場所をしめている。場所(位置)が違えば、見える光景も違う。そこで感じることや考えることが全く同じということがありえるだろうか?完璧な再生などありえないと思われるが・・・・

そこで私の妄想

人間に再生能力がないのは、再生したら脳の自己認識力がおちる?脳がブレーキをかけている?

失礼しました。

ただ医療応用は現に疾患に苦しんでいる人にとっては希望の光。医療応用の研究が進むことを願います。

そのカギとなるのは幹細胞

今回この幹細胞を考えているときにある詩を思い出しました。

イギリスの詩人ウィリアム・ブレイク 無垢の予兆から

一粒の砂に世界を見、

一輪の野の花に天国を見る。

汝の掌に無限を捉え、

一時の中に永遠をみる。

かっこつけてすみません。

ではまた。