人間は一直線に進化していると思い込んでいるが、なにかの代償を払っている。
地上に降りた代償に長掌筋(つかむ力)が減少し、脳が大きくなった代償に咀嚼筋(噛む力)が弱くなり、言葉での会話コミュニーケーションができるようになった代償にフェロモン(代謝物質)感知能力の衰退。
だからなんだよ。それでいいじゃないかという声が聞こえてきそうだが、はたしてそう言い切れるだろうか?
科学が進歩して、快適便利になった今どきの人間が他の動物より善なのか?
ネットの情報洪水につかっている2020年代の今どきの人間が2000年以上の前の人々より賢いのか?ソクラテス、プラトンより物事を深く考えているか?
物理で習った質量保存の法則を思い出してしまった。つまり進化した分どこかで退化につながっている。進化と退化の総量は同じだ。
話がずれたが、その他の驚きポイントは
- 虫垂は腸の免疫能力を高めるので、無駄な器官ではないぞ。
- フェロモンは性的なものだけではないぞ。道しるべフェルモンとかもある。
- 小指を脳が退化させようとしているかもしれないぞ。
- 野球でよく知られているトミージョン手術は長掌筋が移植材料になる。
冒頭のサラリーマンの会話での、盲腸(虫垂)、男の乳首、親知らずなどは役に立ってなさそうでそうでもないと中年サラリーマンを励ますシーンが印象的。すべての人間がそう思うことができたら世界は平和なのだろう。
人間の体にはなにひとつ無駄なものはないのでは。今は解明されていないだけで、違う角度からみれば、実はなにかしらの機能はもっているのでは。まったく無駄なものは変化するか、自滅するような気がする。
ではまた。